山梨学院パブリシティセンター
 
山学高野球部応援団長 羽鳥祐希
〜甲子園球場を味方に。約2000人の応援団を指揮〜
〜悔いはない。このチームでやってこられて良かった〜

8月6日、「第100回全国高校野球選手権記念大会」2日目、山梨学院高校と高知県代表高知商業高校の対戦が行われた。試合は打撃戦となり山梨学院は、一時は6点差を逆転して優位に立ったものの、接戦の末敗退した。試合中、応援し続けた一塁側アルプススタンドの約2000人の応援団は、主に生徒会や一般生徒、野球部保護者会の人たちが占め、その大きな声援が選手たちを励まし続けた。大応援団をまとめたのが野球部の応援団長の羽鳥祐希選手。高校応援団、吹奏楽部、チアリーダー部とともに誰よりも大きな声でみんなを鼓舞し続けた。羽鳥さんは、6月下旬、夏の山梨大会登録メンバーから外れ、自ら応援団のリーダーに手を挙げた。今回のアクティブは、野球部・羽鳥祐希選手に高校3年最後の夏、甲子園のグラウンドに立てなかった無念さ、それを糧にして応援で登録メンバーを支える思いを聞いた。

羽鳥祐希(はどり ゆうき 山梨学院高3年18歳 野球部投手)。
茨城県八千代町立第一中学校出身。家族構成は祖父母と両親、姉二人、本人の7人家族。

9回表二死走者なし、山梨学院最後の打者がセカンドゴロに倒れ試合終了。野球部応援団長の羽鳥祐希選手は「選手の全力を出し切った姿が見られたので悔いはないです。本当は、本当に悔しいですけどこのチームでやってこられて良かったです」と声を絞り出した。高知商高との対戦は、4回までに6点の差を付けられる苦しい展開に5回表、中尾勇介(3年)の満塁本塁打などで一挙8点を奪い逆転。その時、山梨学院約2000人の応援団の声援のボルテージは最高潮に達した。その応援をリードしていたのは野球部応援団の羽鳥祐希選手。例年、山梨学院野球部は登録メンバー外の選手が中心となり学生応援団、吹奏楽部、チアリーダー部と協力し、一般生徒、教職員、野球部保護者会の人々らと一丸となって応援することで選手の気力を盛り上げている。羽鳥さんは、自らメガフォンを手に大きな声を出し、率先して踊り、ボードで次の指示を出すなど応援団を鼓舞する。試合は、その後点を奪い合うシーソーゲームとなったが7回裏に再び逆転され、山梨学院は最後まで勝利に執念を見せるも、惜敗した。試合前、「甲子園はとても広く少しぐらいの声出しでは届かないので、全員で大きな声を出し、球場全体を山梨学院側に巻き込めたら良いなと思っています。今日来ている両親にも頑張って応援している姿を見てもらいたい」と胸を張った。

6月下旬、登録メンバーから外れた選手の引退試合が行われた。羽鳥さんは、その3日前にメンバー発表があり名前はなかった。「悔しいのは本当に悔しかったですけど、メンバーに選ばれなくても一緒にやってきた仲間に恩返しをしたいという気持ちで自分から応援団長を志願しました。翌日から気持ちを切り替えて応援練習に入りました」。羽鳥さんは中学時代、栃木・小山ボーイズ野球チームに所属、練習日は茨城から通った。ポジションは投手。長身から投げ下ろすストレートで活躍した。山梨学院高野球部には同じチームにいた一つ上の憧れの先輩が山梨学院高に入ったのでついていき入部しました」。1、2年では公式戦での登板はなく、3年の最後の夏を目指して冬の厳しい練習に耐えてきた。しかし1月、練習中に左ひざじん帯を損傷。4月中旬まで練習が思うようにできなかった。4月28日、春季山梨大会の富士北稜高戦で初めて公式戦に出場。羽鳥さんの持ち味はストレートとチェンジアップ。一人の打者に対して6球を投じ遊撃ゴロに仕留めるも、それからは登板のチャンスは巡ってこなかった。「3年間を通して今は、正直悔いはないです。怪我をしてベストコンディションで臨めなかったことは残念ですが、その中でも怪我をしたなりに本気でやってきたと思っているので本当に後悔はないです」。最後の引退試合がすごくうれしかったという。「初回と、最終回に投げたんですけど最後の1球で自分が目標としていた140キロが出てメンバーのみんなも自分のことのように喜んでくれて、本当にうれしかった」と笑顔で話した。

7月30日、登録メンバーらは、学校関係者や保護者などに見送られ大阪に向かった。羽鳥さんたちもメンバーと帯同し、練習に参加した。「自分はメンバーのピッチャーとキャッチボールをして、球種のアドバイスや“ナイスボール”と声掛けをしたり、緊張をほぐしてあげたり、どうしたら調子が盛り上がってくるか自分の中でいろいろ考えながら練習をしました」と羽鳥さん。

試合当日、きりりと額に鉢巻を締めた羽鳥さんが一塁側アルプススタンド大応援団の最前列にいた。「見ている人も山梨学院の応援に巻き込めれば」と、大きな声で、身振りで、顔を真っ赤にしながら選手を、仲間を鼓舞しながら動き回っていた。出場する選手も青春。自分の役割を全うしようと獅子奮迅の働きをする応援メンバーも青春。老いも若きも、それぞれに異なる“青春”を感じ、アルプススタンドは一体感を持ち、最後まで声を途切れさせずに声援を送った。

羽鳥さんは卒業後、山梨学院大学経営学部へ進み学業に専念するという。「野球はやらないつもりですが、どうしてもやりたくなってしまうと思うのでクラブにでも入れたらいい」と少しだけ野球に未練を残す。そして最後、後輩に「自分たちは3連覇をしたんですけど、そこで満足しないで4連覇、5連覇してほしい。怪我とかしたときには、下を向くのではなくて前向きにひたすら努力すれば、例えメンバーに入れないとしても自分の中で得るものがあるので下を向かずに取り組んでほしい」とエールを送った。

文(K.F) カメラ(藤原 稔 平川大雪) 2018.8.9
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