山梨学院パブリシティセンター
 
山学中、中川さん全日本バレエ・コンクール優勝
〜レベルの高い大会で自然で美しい踊りが高評価〜
〜バレエ一筋。日本を代表する表現者を目指す〜

8月に行われた「全日本バレエ・コンクールジュニアB部門」で山梨学院中学校3年中川奈奈さんが見事優勝に輝いた。この大会は1983年に始まったコンクールで国内では2番目に歴史があるコンクール。ジュニアB部門は13歳から15歳までのカテゴリーで地区予選を突破した79人が出場。予選、準決勝を突破した20人が4日間にわたった最終日の決勝に臨んだ。日々の基礎練習の習熟度や課題曲に合わせた踊りの技術などを総合的に審査する中で、中川さんは、レベルの高い熾烈な戦いを競い合い日本一の栄冠を手にした。今回のアクティブはバレエダンサー中川奈奈さんに国内有数のコンクールでの演技を振り返ってもらい、優勝の喜び、これからのバレエへの取り組み、将来の目標などを聞いた。



中川奈奈さん(なかがわ なな 山梨学院中学校3年)。笛吹市八代町在住。

中川奈奈さんは、甲府市内のバレエスタジオに通い練習を積んでいる。週6日、平日は夕方から夜遅くまで。休日は7時間から8時間と寸暇を惜しんで練習に打ち込む。「学校で少し居眠りしてしまう」と中川さん。中川さんが出場した「全日本バレエ・コンクール」(日本バレエ協会、文化庁主催)は国内で2番目に古い歴史を持つコンクールで国内外で活躍する多くのダンサーがここから飛躍していった。大会の「ジュニアB部門は各地区予選を勝ち抜いた」各地区予選を勝ち抜いた79人が出場、4日間にわたり予選、準決勝、決勝と行われ日本一を決める。中川さんは言う。「出場した79人は地区予選の3分の1。もともとレベルが高い人たちが集まる」と本戦に出場することも難しい大会。その中で勝ち抜き優勝した中川さんはまず、決勝に応援に来てくれたスタジオの仲間に感謝した。中川奈奈さんは「うれしいよりもその期待に応えられたことにほっとしました。絶対ミスできないし何としても結果を出さないといけないと多少のプレッシャーはあった状況の中でコールはとても意味があったのかなと思いました」と振り返った。

中川さんは、小学4年生からバレエを習い始めた。きっかけは「うちの家系はがに股で、がに股を活かせるのは何かといったらバレエだったのかな」と笑う。小学校6年までは週に1,2回2時間程度の習い事だった。「コンクールには4年生の時から結構出ていました。でも本気でやろうと思ったのは、中学に入学してから。布能先生(現在通っているスタジオ)に声を掛けてもらってどうせやるならしっかりやろうと思いました。それからは、グーンと結果がでるようになり、中学1年の後半ぐらいから今までできていなかった基礎的な部分が修復されて上達しました」。中川さんが通うふのうまさみバレエスタジオの布能正美代表は「決して器用に踊るタイプではありませんが、持っている資質は素晴らしいものがあり、入った時から将来は大物になるなと思いました。何よりも素直で前向きな姿勢がいい」と期待を込める。その結果、昨年初めて出場したこの大会で5位となり、必然的にその上を獲る意気込みを持ち「気品と初々しさをベースに」に大会に臨んだ。  

このコンクールの特徴は、『アンシェヌマン』という大会初日に振りと音源を与えられ、忠実に再現する難しい課題があること。日々の基礎練習の習熟度を計ることを第一の目的に挙げられている。「その日の午前中に覚えて夕方に発表するというとても精神的にも大変な課題です」と中川さん。審査項目はいくつも設定され、腕の動きや足のポジションが決まっているか体型を判断し、音楽が終わるまで体型と音感を駆使され、どのように表現し、基本に忠実かなどを審査する。課題曲は技能、表現力、その人の個性が必要になる。「課題曲は、踊り込んできた曲を2種類踊る。「大会で結果を出した曲を持ってくるので特に苦はないですけれど予選の『眠れぬ森の美女の1幕』と準決勝の『ダイアナ』とはタイプが違い、結構表現が変わるのでそのギャップが大変だった」と打ち明ける。大会を通じて中川さんの踊りは、伸びやかで作った美しさではなく年相応の美しさがあり、自然な輝きが醸し出されていると審査委員から高評価を受け優勝を飾った。また、全部門を通じて最も優秀な出場者に贈られるチャコット特別奨励賞も受賞。二重の喜びとなった。

バレエの魅力を中川さんは「基本があってこその表現力を求められるので、常に完璧を求められることに応じなければなりません。バレエは役柄がとても多いのでそれになりきる前にいろいろ体験してまず五感を鍛えることが第一歩だと思います。自身のこともあれば、たくさんのものを体験してきたこと、それを表現できるのが魅力だと思います」。そのために中川さんは、美術鑑賞やクラッシック音楽鑑賞、バレエの物語が作られた背景、歴史を理解するための読書などを自分に課し努力を惜しまない。また、中川さんは、山梨学院中学校の大きな行事の一つ、11月に行われるオーストラリア語学研修の参加を自らの意思でやめた。「体型や練習のことなどを考えて2週間のオーストラリア研修旅行は行きません。オーストラリアに行かないことより自分の将来を優先しました」と一途にバレエに懸ける。将来の目標は、「バレエダンサーです。日本を代表するような表現者になれるように頑張りたい。引退しているんですけど英国ロイヤルバレエ団の吉田都さんを目標にしています。とても基本がしっかりしていて、さまざまな役柄にも取り組んできました。50歳台になっても若いバレエ団員と一緒にレッスンできるような強靭な身体と個性的ですべて兼ね揃えた人で尊敬しています」と目を輝かした。

大きな夢を抱き邁進する中川さんがそれに向けて課題にしていることは、「もう一度バレエを一から見直して、まず技術というか基礎となるところを重点的に行いつつ、さまざまな体験や五感を養い、もっとバランス良いものを食べて身体づくりをしていきます。もし海外遠征行ったときに海外の食べ物は身体を壊すことがあるので日本食を作れるように勉強しています」とバレエへのひたむきさが窺える。さらに「バレエの魅力に引き付けられたというのもありますし、上を目指すにあたって、欠かすものは絶対にNGなので、欠かしたものがあると、その後に影響が及ぶので、しなければならないことを、一つずつクリアしていかないと支障がでると思います」と強い決意を述べた。そんなバレエ漬けの毎日。週一度の休みの日は家での勉強も欠かせない。中川さんの次の大会は3月下旬に開催される「全国舞踊コンクール」バレエ部門に出場する。そこではどんな演技を見せてくれるのか。 

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.11.2

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