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●山学大孔子学院 中国文化講座第1弾「三国志」
~人気の講座に多くの聴講者が歴史ロマンを堪能~
~史実と虚実の比較から歴史を読み解く面白さ~

山梨学院大学孔子学院は11月21日、「曹操『三国志』を作った男」と題し、中国文化講座を開講した。山梨学院大孔子学院はこれまで中国語講座を初め、太極拳講座など市民講座の開講や毎年「孔子学院の日」には文化交流イベントを開催している。今回は、コロナ禍で開講が延期になっていた中国文化講座の第1弾として、中国文学研究の第一人者、竹内真彦龍谷大学教授を講師に迎え、中国の後漢末期から三国時代にかけて中国統一を目指して群雄割拠した時代に蜀・魏・呉三国が争った歴史の「三国志」をテーマに行われた。そのなかに登場する中心人物の一人、曹操にスポットをあてた講座とあり、会場の山学大孔子学院棟大講義室には満席の定員50人が聴講し、「三国志」の人気の高さをうかがわせた。講座では史実を忠実にまとめた歴史書「三国志」と、それを基にフィクションを含めて創作された「三国志演義」(歴史小説)の違いを説明。その二つの書物の中で人物評価が分かれる曹操について、竹内氏は歴史書の「三国志」は大事だが、語り継がれた逸話や伝説が書かれた「三国志演義」との比較にこそさまざまな見方があり、より「三国志」を楽しむことができると解説。参加者は竹内氏の講義に真剣に聞き入っていた。

孔子学院は、中国政府が「中国語教育と世界各国の文化と国民の相互理解」を推進するためのプロジェクトで中国の大学と現地の大学が提携して運営する教育機関である。山梨学院大学孔子学院は2019年5月に開設され、これまで中国語講座、太極拳講座など通年講座や文化交流イベントを開催し活動している。今回開講する中国文化講座は、開設当時から計画されていた講座で新型コロナウイルス感染症の影響を受け開催できずに2年半の時を経てようやく開講の陽の目を見た。初の中国文化講座は、小説、映画、TVドラマ、漫画、アニメ、ゲームなど様々なメディアで取り上げられ幅広い世代に人気の中国歴史物語、「三国志」。今回は中国文学を専攻し「三国志演義」研究の第一人者。龍谷大学・竹内真彦教授を講師に迎え、「曹操「三国志」を作った男」と題し講座を行った。開講にあたり山梨学院大学孔子学院・熊達雲学院長は「孔子学院は今年で3年目になりますがコロナ感染症の影響で運悪くこの2年間、予定していたイベントが開催できませんでした。今日はようやくこの中国文化講座第1弾である『三国志』についての話をうかがうこととなりました。本当に休日にも関わらず、皆さん『三国志』の愛読者、『三国志』の中のある人物のファンの方々にいらしてもらって本当に心強く思っています。「曹操『三国志』を作った男」と題するとても面白いテーマだと思います。多分、『三国志』を読みますとその中の人物につきましては、それぞれ好き嫌いがあると思います。“私は劉備が好き”“私は関羽が好き”“張飛が好き”いろいろあります。だからそれぞれ自分の三国志があると思います。その中には流儀があって、反目があって、知恵があって、陰謀があって、協力があって、そして天下があるなどいろんな出来事がありまして、多分それが非常に魅力的なものになっていると思います。日本には7世紀頃に入ってきて1300年以上たっても、こんなたくさんの愛読者がいることはその作者は喜んでいるんではないかと思います。それでは早速講師の先生にお願いします」と挨拶した。

講師の竹内真彦龍谷大学経済学部教授は2000年神戸大学大学院文化学研究科修了。先攻は中国文学。「三国志演義」が専門。著書に2020年出版した「最強の男『三国志を知るために』」がある。竹内氏は初めに中国の3世紀末の後漢・三国時代の戦国の世における史実を忠実にまとめた歴史書「三国志」(正史と呼ぶ)と、それを基に逸話や伝説、フィクションを含めて創作された「三国志演義」(歴史小説)の違いを説明。その二つの書物の中で人物評価が分かれる曹操について考察。宦官の家系を持つ曹操の生い立ちから群雄割拠時代の中で武功を上げ徐々に頭角を現し、中国の3分の2を収める大国・魏の礎を築き上げた史実を解説。その中で「三国志演義」では曹操の武功を成す上での非情な振る舞いに悪玉のイメージが付着。劉備や袁紹、孫権などを善玉と描きその前に立ちはだかる曹操を悪玉と描く物語として今日のイメージにつながった。竹内氏はさらに話を進め、40歳位の時、その後対立することになる「三国志」に欠かせない人物劉備と長い協力関係の中、劉備が裏切り曹操暗殺計画に加担。その後、敵対関係になり曹操は劉備・孫権の連合軍に敗れ中国統一に至らなかった顛末を説明。曹操が劉備を完全に抑え中国統一ができていれば後世の「三国志演義」では“悪玉”にならずに曹操中心に物語は語られていただろうと推論する。「三国志」(正史)では曹操は「非常之人兆超世の傑」と明晰な戦略がもっともすぐれ、並外れた人物で時代を超えた英傑であると絶賛している。竹内氏は歴史書の「三国志」(正史)の資料を踏まえながら曹操という人物が時代の先駆者で非常に合理的かつ論理的な戦略的だったと考察した。さらに「三国志」(正史)に残された史実は大事だが、語り継がれた逸話や伝説が書かれた「三国志演義」との比較にこそ様々な見方ができ、より「三国志」を楽しむことができると解説。講座聴講者は竹内氏のきめ細かい解説に耳を研ぎ澄まし、メモを取りながら聞き入っていた。講座は、「三国志」の『史実と虚実』の考察から読み解く歴史の面白さを学べた時間だった。

講義後、サプライズとして抽選会が設けられ、参加者5人に講師の竹内氏からサイン入りの著書「最強の男『三国志を知るために』」がプレゼントされた。本を射止めた山梨学院小学校・鈴木崇教諭は大の「三国志」ファン。「この講座を聞いて曹操という人物の評価がいろいろあるというのを再認識できたことはもちろんなんですが、「三国志・正史」と「三国志演義」という歴史書と物語の方の扱い方がここまで明確に理解する機会を得たことは自分にとっては新しい出会いでした」。教師の立場で拝聴したことについて、「歴史を楽しく学べるようにひとり一人の人物の魅力を書き立ててくれるのが『三国志演義』だと思っているので、子どもたちには、そこを入口にして中国の奥深い歴史の探究に結び付けてくれればいいと思っています。自分の歴史観も良い影響を受けましたし、子どもたちに『三国志』をまた少しずつ扱っていきたいと思っています」と語った。甲府市の加藤初音さんは「紹介してもらい来たんですが、パンフレットをもらい図書館に行って『初めての三国志』という本を借りて少しだけ頭に入れて講座に臨みました。もともと『三国志』について興味はありましたけどいい機会に恵まれためになりました。実際に講義を聞いてこれから勉強するきっかけになりました」と話した。

山学大孔子学院の中国文化講座第2弾は中国北宋末期、造反精神と義理人情を謳歌する反乱軍を主役にした中国古典の名作「水滸伝」の世界を早稲田大学中国現代文化研究所招聘研究員の呉念聖氏を迎え12月18日(土)、同大講義室で開講する。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.11.22